相続した不動産を売却する
被相続人名義の不動産を相続によって取得したものの、住む予定もないので売却しようと考えるケースも少なくありません。しかしながら相続によって取得した不動産を売却する際には「譲渡所得税」が課されることもあるため、注意が必要です。
譲渡所得税が課されるのは、不動産を購入した時よりも売却した時のほうが高値となり、利益が生じた場合です。利益が生じていなければ不動産を売却したとしても、譲渡所得税の課税対象とはなりません。
納めるべき譲渡所得税は利益(譲渡所得)が生じた額に税率を掛け合わせて算出した額になりますが、税率は売却する不動産の所有期間によって異なります。
不動産の所有期間が長くなればなるほど税率は下がる仕組みですので、覚えておくと良いでしょう。
譲渡所得税を算出する方法
相続によって取得した不動産の売却で利益が生じた場合、以下の計算式を用いて譲渡所得税を算出します。
譲渡所得=譲渡収入金額−(取得費+譲渡費用 ※1)
課税譲渡所得=譲渡所得−(特別控除 ※2)
税額=課税譲渡所得×税率(所得税・住民税)
※1:仲介手数料や売却に要した広告費等も含む
※2:3,000万円特別控除(居住用)の特例等
譲渡所得税の負担を軽減させる方法としては、売却予定の不動産を長期間所有して税率を下げるというのが挙げられます。また、相続税申告が済んでいる場合は不動産の売却を申告期限から3年以内に行うことで、譲渡価格から売却した不動産に課せられる相続税額を減算することが可能です。
相続した不動産の売却を検討する際は、これらの税金についても確認しておくことが重要だといえるでしょう。