家族信託における委託者
委託者とは自身の財産を信託財産と受託者に管理運営を託す人をさします。
家族信託は委託者、受託者、受益者の3者が契約を結ぶことで開始されますが、信託目的や信託の期間といった家族信託の軸になる契約内容は、委託者が中心となって検討するのが一般的です。また財産を捻出した当事者のため、家族信託開始後も信託状況を報告するよう請求したり、信託契約に関わる人の解任や辞任の承認ができたりと大きな権限をもつ立場にあります。
委託者が亡くなった場合
委託者の地位については契約において「承継しない」等の定めがない限り、相続の対象となります。ただし法定相続人が複数人存在すると混乱やトラブルのきっかけになりかねませんので、特別な事情がない限り委託者の地位についての内容を記載しておきましょう。特に受益者の設定が相続人にとって不利益を被るものであった場合、ご自身の死後も継続することを望んで作成した家族信託が意味をなさないものになる恐れがあります。そのため始めに作成する契約書によって第二委託者の設定を行っておくことをおすすめします。
なお家族信託において委託者=受益者であるケースは多いため、委託者と同様に受益者についても第二受益者の設定が必要です。