生前対策-財産管理委任契約-
超高齢化社会といわれている昨今、生前対策の一環として注目されている契約のひとつが「財産管理委任契約」です。
財産管理委任契約とは所有する財産の管理を第三者に任せるために結ぶ契約であり、身体が不自由などの理由によりご自分で財産管理を行うことが難しい場合などに利用されます。
また、金銭の持ち込みが禁止されている老人ホーム等へ入居される際にも、必要に応じて口座からの出金をお願いできる財産管理委任契約は頼りになる存在だといえるでしょう。
財産管理委任契約のメリットについて
生前対策として財産管理委任契約を利用する最大のメリットは、契約を結んだ時点から効力が生じるという点です。
契約を結ぶにはご自身の判断能力が十分あることが条件となりますが、認知症等を発症する前から財産管理を代行してもらえるのは「成年後見」や「任意後見」にはない特長です。
また、契約を結んだ後で認知症を発症し判断能力が低下したとしても、ご自身がお亡くなりになるまでは契約内容に沿って財産管理が行われます。
財産管理委任契約は認知症等の備えとしても活用できる契約ですので、何をお願いしたいのかについては事前にしっかりと考えておくと良いでしょう。
財産管理委任契約の締結によりお願いできること
財産管理委任契約を結ぶことで第三者にお願いできる内容としては、以下のようなものが挙げられます。
- 預貯金の管理
- 介護サービスの利用に際する手続き
- 介護施設等への入居における財産管理
- 年金の受領
- 公共料金(電気、ガス、水道等)の支払い 等
同じような制度である「成年後見」や「任意後見」は、契約を結んだとしてもご自身の判断能力が低下してからでないと効力が生じることはありません。
その点、財産管理委任契約は契約を結んだ時点から第三者に財産管理を任せることができるため、必要に迫られている場合には早急に専門家へ相談し、検討されることをおすすめいたします。