借金の相続
ここでは、借金を相続する場合の留意点をご説明いたします。
過払い金
相続財産の中に借金等のマイナスの財産があるときは、債務を負担したくないからと相続放棄を考えてしまう方もいると思います。しかし、ただちに相続放棄を選択すると損をしてしまうかもしれません。
金融会社やクレジット会社から借入れをするとき、契約の中で返済利息が設定されていますが、法改正がされた2010年6月以前から借入れを開始していた場合、契約上の利息が利息制限法で定められている利率よりも高く設定されている(超過利息が上乗せされている)可能性があります。
このような超過利息は法律上無効ですので、正しい利率で計算し直す必要があり、この無効な支払い分は元本に充当されます。その結果、返済額が法定利率で計算した結果の適切な支払金額を上回っている場合があり、この払いすぎたお金のことを過払い金といいます。既に完済した借金であっても、最後の取引から10年が経過していなければ、過払い金を請求できます。
利息制限法の上限利率
金額 | 利率 |
---|---|
元本額10万円未満 | 年20% |
元本額10万円以上100万円未満 | 年18% |
元本額100万円以上 | 年15% |
※2010年6月以前から借入れを開始している場合、契約上の返済利息がこの利率よりも高く設定されている(超過利息が上乗せされている)可能性があります。
相続財産に含まれる借金についての過払い金
過払い金の請求を行うことで、借金が返済できるだけでなくお金が増えるケースもあります。
被相続人が超過利息分を払いすぎていたかどうかは、事前にぜひ一度確認するべき事項ですが、その調査や手続きは簡単ではありません。
過払い金があれば過払い金請求訴訟を提起することとなりますが、専門知識のない個人の方が訴訟を起こすことは非常に困難です。債務を減らすことができるか、過払い金が発生しているかどうか知りたいときは、知識や経験の豊富な専門家にご相談されることを推奨します。